


『山が泣いてる』(1960年/理論社)の原作で、昭和33年(1958年)「中奥日報」に連載された、鈴木実・高橋徳義・植松要作・笹原俊雄・槇仙一郎、5名による共同創作が、63年の時を経て書籍化されました。
日本が戦争に負け、日本各地にアメリカ軍の基地がつくられたなかで、山形県の最上川沿い村山市一帯には〈大高根射撃場〉がつくられてしまいます。
‘砲座から撃たれる砲弾は村びとの頭上をとび、炭を焼き、山菜をとる山を崩し、途中で炸裂する砲弾が民家の壁をぶちぬいた。(鈴木実「はじめに」より)’
戦後にかかわらず、砲弾がいつどこに落ちるかわからない恐怖を強いられ、生活を壊されてきた「弾道下の村」の記録であると同時に、季節の移ろいと共にある山の暮らしの民俗誌として、また貧しくもたくましく生きる子どもたちの機微を活写した物語としてすばらしく、長く広く読まれたい一冊です。
副読本もございます。
『敗戦後、村は戦場だった〜共同創作「ヘイタイのいる村」の背景〜』
村の闘争史、文学史として当時の農業青年たちのみずみずしさを伝える貴重な記録であるとともに、敗戦〜その後の日本の状況を識るうえで読みやすくお薦めです。
『敗戦後、村は戦場だった〜共同創作「ヘイタイのいる村」の背景〜』
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内容の詳細はこちらにも
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『ヘイタイのいる村』
著者:鈴木実・高橋徳義・植松要作・笹原俊雄・槇仙一郎
編集:山形童話の会 花烏賊康繁
発行:北の風出版 2021年3月25日
さし絵:齋藤二良