先にご紹介している『ヘイタイのいる村』の副読本であると同時に、村の闘争史、文学史として当時の農業青年たちのみずみずしさを伝える貴重な記録となっています。
『ヘイタイのいる村』
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著者の花烏賊康繁さんも弾道下の村に生まれ幼い頃にその暮らしを体験し、『ヘイタイのいる村』の著者の方々とも親交がありこの度の書籍化にご尽力なさいました。
炭を焼き(製炭)、薪や山菜をとり、家畜に与える草や堆肥にする草、屋根をふくための萱を山からいただく。
そんな山の暮らしを続けてきた集落に、戦後、何の説明もなく進駐軍の射撃演習場がつくられてしまいます。
山形県最上川沿いに設営された大高根射撃場。
村民の生活の糧を得るための山をめがけて発射される砲弾はシュルシュルと不気味な音をたて、村人の頭の上を飛び越し、樹々を裂き爆音を轟かせて着弾します。
生活を追われ貧しさゆえの悲惨な事故も経験することに。
砲撃のきびしき夜なり冬の山に血を噴く如く火柱の立つ
高橋徳義(『基地のうた』より)
戦後であるにもかかわらず、土地を奪われ結果的に約10年ものあいだ「弾道下の村」となり、実質「戦場」の暮らしを強いられることとなった青年たちはやり場のない悲しみと怒りを詩や俳句に託して記録しはじめます。そうしてみずみずしい文学の土壌が育まれ、出会った青年たちは共同創作というはじめての試みで『ヘイタイのいる村』を書き上げていきます。
『ヘイタイのいる村』とセットですと送料は1冊分の200円でお送りできます。
https://koshohoro.stores.jp/items/611f19cbe50c0b2881cc881c
『敗戦後村は戦場だった』1,000円+税
もんぺのこ別冊 No.12
花烏賊 康繁 著
山形童話の会 制作
北の風出版 発行